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味重視!韓国ソウルにあるエスプレッソ専門店5選と流行った理由

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2023.07.11
Kapecchang
Kapecchang韓国バリスタ資格をもつ日本人

みなさんこんにちは〜

1日1カフェ!元バリスタ・現カフェオタクのKapecchang(カペちゃん)です。

約10年前、会社を辞めて韓国のバリスタ資格を取り、ソウルのカフェでバリスタとして働いたり、コーヒーの祭典ソウルカフェショーの裏方やコーヒーイベントのお手伝い、現在は翻訳や通訳、日韓のコーヒー交流に関わるお仕事をしています。

そんな私のコーヒーまみれの日常や裏話(たまに毒づき)をほぼ毎日Instagramのストーリーに載せていますので、気になる方は是非そちらからも撮りたてホヤホヤ韓国の最新カフェ情報をチェックしてくださいね〜

 

 

 

ここ数年で韓国社会に濃厚に溶けこんだイタリア式のエスプレッソ専門店。

エスプレッソとは、細かく挽いたコーヒーの粉にマシンの圧力をかけて抽出させた30mlほどの少量のコーヒーで、そこに水やお湯を注げばアメリカーノになり、牛乳を注げばラテやフラットホワイトになります。このように「何かと混ぜて楽しむ原液」といった概念だったエスプレッソが、最近ではストレートで飲んだり、砂糖やクリームをのせたり、レモンやオレンジ、シャーベットを入れたりとエスプレッソ自体の味を強く感じる「エスプレッソメニュー」を楽しむ人が増えてきました。

エスプレッソを飲んだ後のデミタスカップを重ねて撮った写真を皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

駅からもかなり離れた狭い店ーそれも周辺には他に寄れる場所は何もない、なんならお手洗いや座れる席すらないーを遥々訪ねてエスプレッソを啜って颯爽と去る・・・。 そんな新しいカフェの楽しみ方がMZ世代に大流行し、数年前からエスプレッソバーが急増。 近年ではご年配の方も立ち飲みでエスプレッソを楽しんでいる姿を見かけるようになりました。

「凍って死んでも冷たいドリンクが好き(얼죽아)」という表現もあるくらいアイスアメリカーノ一強時代が長かった韓国に、一体何が起きたのでしょうか。 
어도 이스

この謎を解決すべく、今回もバリスタの友人やエスプレッソバーのオーナーさんに直接お話を伺ってみたところ、流行るべくして流行ったタイミングとその理由を知ることができました。

個人的にはとても興味深い内容だったのですが、その話をはじめると長くなってしまうので まずはお先に元バリスタ・現カフェオタクの私が厳選した【 韓国ソウルにあるおすすめのエスプレッソ専門店5選 】をご紹介していきたいと思います!

 

 


 

明洞 LEESAR COFFEE

リサルコーヒー

 
このカフェなしに韓国のエスプレッソは語れない、エスプレッソバーの火付け役とも言えるリサルコーヒー。 上往十里(상왕십리)の半地下にひっそりとあったカフェ、リサルコーヒーが薬水(약수)に移転しながら座席のない完全スタンディングのエスプレッソバーとして再オープン。 とても小さなエスプレッソバーでしたが、このビジネスが大ヒットし、数年前には明洞の一等地に二階建ての立派なお店をオープンされました!

外から見ても立派な二階建ての建物で、屋根が高く、内装もまるで本場イタリアのよう。 それにもかかわらず、注文の際にスタンディング(立ち飲み)メニューを選ぶと「この雰囲気でこの価格?」と申し訳なくなってしまうくらいのお手頃価格でエスプレッソメニューが楽しめます(エスプレッソ 1,500ウォン!)

明洞店の他にも清潭洞(청담店:座席とスタンディング選択可能)や本店の薬水(약수店:スタンディングのみ)にも店舗がありますので、お近くの店舗に立ち寄って、気軽な金額で多様なエスプレッソメニューを楽しんでみてくださいね。

 

〔住所〕

 

営業時間
月曜 - 土曜 10:00 - 18:30 (ラストオーダー 18:00) 
※日曜定休

〔インスタグラム〕
@leesarcoffee

座席
明洞店は1階と2階に席がありますが、入店してすぐ店員さんに 「席に座るか、スタンディング(立ち飲み)か」を聞かれます。 座席を利用される場合には席に座ってオーダー。 スタンディングの場合は一階の奥、カウンター前のスタンディングテーブルを利用。

※座席利用の場合は、同じメニューでもスタンディング価格より少し高く設定されています(席代)。カフェ感覚でゆったりしたい時には座席メニューを選び、立ったままでも大丈夫!という場合には、お得なスタンディング価格でサクッとエスプレッソを楽しむのも、ツウっぽくていいですよね。

 

 


 

延禧洞 Yeonhui espresso bar

ヨニエスプレッソバー

 

ホンデ入口駅から延南洞を通り抜け、延禧(ヨニ)洞へ。 この道だけでもいくつものカフェやエスプレッソバーがありますが、その誘惑に負けずにヨニ洞まで進むと、ガラス張りの建物の2階に看板犬ホロンちゃんが待つ可愛らしいカフェがあります。

海外からのお客様も多く訪れるらしく、インスタグラムの投稿に日本語翻訳を載せてくれていたり、日本語のメニューや飲み方のガイドも準備して下さっているという安心感。 これぞまさにエスプレッソ初心者さん向けの、エスプレッソバーデビューにふさわしいお店ではないでしょうか :)

また、ひとつでも重ねても可愛い「ぼんやりカップ」は20,000ウォンで購入も可能。仲良しの友達とお揃いにしたい可愛さです。

〔おすすめメニュー〕
自家製オレンジジャムとエスプレッソの甘苦ハーモニー

・Yeonhui espresso 3,600ウォン

暑い日にはたまらない!オレンジやグレープフルーツのシャーベット
・Sorbet / sherbet 4,300ウォン

エスプレッソとの相性抜群。ダークチョコレートと玄米の食感がクセになる
・Crunky GEGE 4,000ウォン

〔座席〕
座席に関わらず料金は全て一律で、室内のスタンディングテーブル一つ以外は全て野外の座席となります。看板犬のホロンちゃんやそのお友達のワンちゃん達も遊びに来る超ペットフレンドリーなカフェです。

 

〔住所〕

 

営業時間〕
月曜 - 金曜 8:30 - 17:00 
土曜 – 日曜 9:00 - 17:00

〔インスタグラム〕
@yeonhui_espresso

 

 


 

望遠洞 Monsieurbubu coffee stand

ムッシュブブコーヒースタンド

 

望遠(망원)洞で生まれ、合井(합정)でも大人気・大行列だったエスプレッソバーが望遠洞のハンガン公園近くに移転してきました!

地下鉄の駅からは若干離れているものの、インパクトのある外装と洗練されたインテリアの店内はいつもオシャレなお客さんでいっぱい。 さらに最近はソウルだけでなくジェジュ島にもお店をオープンし、飛ぶ鳥を落とす勢いのムッシュブブ。

大人気メニューのレモン入りのエスプレッソ(ロマノ)は、エスプレッソを飲んだ後に、カップの底に溜まった砂糖をレモンにかけて食べるのですが、エスプレッソの苦味と砂糖の甘味そしてレモン果肉の酸味のハーモニーが絶妙!一度飲んだ事がある方なら、また飲みたくなる中毒性のあるお味です。

エスプレッソドリンクだけでなくアルコールも楽しめるので、ハンガンに行く前のカフェイン&アルコール充電にもぴったりのお店です。

〔おすすめメニュー〕
ほろ苦エスプレッソとレモンの爽やかさに舌鼓
・로마노 ロマノ

甘酸っぱいチェリースラッシュにミントとライムのアクセントがたまらない!
・체리블러드 チェリーブロドゥ

〔住所〕

 

〔営業時間〕
金曜 - 水曜 12:00 - 21:00 (木曜定休)

〔インスタグラム〕
@monsieurbubu.coffeestand

〔座席〕
座席に関わらず料金は全て一律。 カウンター席と外に数席のみの小さな店内なので満席の場合もしばしば。 待たずに座りたい場合は、オープン直後の12時を狙うのがおすすめ。

 

 


 

忠正路 DRAW ESPRESSO BAR

ドローエスプレッソバー

 

元々エスプレッソが大好きだけれど、ドリップコーヒーは飲みきれない(!)というオーナーさんが、エスプレッソバーブームが来た時に「自分にもできるかも」と忠正路(충정로)にカジュアルな雰囲気のエスプレッソバーをオープン。

「完全なイタリア式ではなく、韓国人の口に合うエスプレッソを目指しています」とおすすめして下さったメニューは、ペルーの浅煎りのコーヒーで淹れられた今シーズン限定のエスプレッソ(Season specialty)と、バニラアイスにオリーブオイルとエスプレッソが絡み合うカフェリエト(Cafe Lieto)。 シーズナルメニューのペルーのエスプレッソはベリー感が口の中で踊り出す美味しさで、私も友人も一気飲み。カフェ・リエトはエスプレッソとアイスだけでも美味しいのに、ふわりと香るオリーブオイルの香りとコクがたまりません。

うーん、これは毎日飲みたい・・・!

イタリア語で「幸せ」という意味のリエト(Lieto)と「引き寄せる」という意味のドロー(DRAW)。

エスプレッソの味とオーナーさんの無邪気な笑顔に引き寄せられて、私は来週もまたドローエスプレッソバーに向かうことでしょう。

 

〔住所〕

地下鉄2・6号線 忠正路(충정로)駅 4番出口から徒歩約5分(ソウル駅から徒歩約15分)

〔営業時間〕
平日  7:00 - 18:00(ラストオーダー 17:50)

週末 10:00 - 18:00(ラストオーダー 17:50)

〔インスタグラム〕
@draw_espresso_bar

〔おすすめメニュー〕
エスプレッソ+アイスクリーム+オリーブオイルが織りなすハーモニー

・Cafe Lieto(カフェ リエト)4,900ウォン

通常の価格に+1,000ウォンでエスプレッソに使われる豆を
・デカフェに変更したり
・シーズナルエスプレッソにアップグレード可能
(Season specialty 2023年6月現在はペルー・無くなり次第別のお豆に変更)

〔座席〕
小さいお店でランチタイムは大変混み合いますが

平日の午前9:30-11:30 / 午後15:00-17:30は、比較的、空いているようです。
万が一席がなかった場合には、近くに書店や雑貨屋さん、老舗の中林荘ソルロンタン(중림장설렁탕)もありますよ〜!

 

 


 

鍾路 SECOND COFFEE 

セカンドコーヒー

 

最後まで読んでくださった方にだけコッソリ(?)お教えしちゃいます。 何を隠そう、私が数年間エスプレッソのために足繁く通っているお店はこちらのお店です。

もう何度来たかわからない程リピートしていますが、約2年前、焙煎師の友人に「ダークなエスプレッソはあまり好きじゃない」と呟いたら「行くべき店がある」と連れてこられたのがこちらのセカンドコーヒーでした。

焙煎から抽出までを担当されているオーナーさんはコーヒー業界では有名な焙煎の腕前で、彼が焙煎した深煎りのコーヒーは、まるでダークチョコレートのような甘い余韻が残ります。

美味しいコーヒーを作ってくれそうなオーラが漂っているオーナーさんだったので、初日はおすすめしてくださるままに、まずはエスプレッソにホイップクリームが乗ったエスプレッソ・コンパンナをいただきましたが、あらまぁなんてコン・・・パンナ! 「エスプレッソってこんなに美味しかったですっけ?」と2杯おかわりしたその日から、安国(안국)に行くたびに立ち寄るお店になりました。

ホットプレイスのソスンラギル(서순라길)の裏路地にひっそりと佇むエスプレッソバーとカフェの中間のようなお店で、インテリアもとてもシンプル。

「大きな変化よりも、いつも同じ場所でより良いコーヒーを提供し続けたい」という代表のコーヒー愛と真心が伝わってくる大好きなお店です。

 

〔住所〕

 

〔営業時間〕
水曜 - 日曜 11:30 - 19:00 (月火定休)

〔インスタグラム〕
@secondcoffee

〔おすすめメニュー〕
Con panna(コンパンナ) 4,500ウォン
他のメニューも美味しいのですが、まずはコンパンナは絶対に試してみて頂きたいです!

〔座席〕
小さめの店内ではありますが、グループ席、2人席もあり、おひとり様でも大丈夫。
満席だった場合には、お近くのソスンラギルでジュエリー工房を見学して戻ってくるのも良さそう。

 

以上、旅行者の方にもおすすめのアクセスしやすいお店の中から、味にも定評のあるお店を5つピックアップしてみました。

残念ながら今回はご紹介できませんでしたが、バリスタの間で絶大な人気を誇る高品質エスプレッソバーBamaself(바마셀 バマセル)や、聖堂コンセプトのインテリアと親切な接客で定評のあるYM ESPRESSO ROOM(ワイエムエスプレッソルーム) など、魅力と個性たっぷりのエスプレッソバーが全国各地に散らばっていますので、余裕がある方は是非そちらも行ってみて下さいね。

 

 


 

韓国でエスプレッソバーが流行った理由

 

また今回ご紹介したエスプレッソバーの中にも「コロナの真っ最中にオープンしました」というお店がありましたが、コロナ禍で多くのカフェが閉業に追いやられる中、エスプレッソバーがソウルだけでなく地方都市にも増え続けていった理由はただの「流行り」でしょうか。

これまではアメリカや日本、オーストラリアから影響を受けてきたと言われる韓国のコーヒー文化に「立ち飲みでさっと去る」「一杯の量が20〜30mlと少なめ」「価格が安くて数杯飲んでも負担が少ない」というイタリア式のコーヒー文化は目新しく、MZ世代を中心に大流行。海外風インテリアのカフェで楽しむ斬新なイタリア式のコーヒー文化は、コロナ禍で海外旅行に行けない欲を満たすのにはうってつけの体験でした。

MZ世代だけではなく、こちらの記事を書いている最中に隣の席にいらっしゃったご年配のご夫婦は「甘いクリームの入ったエスプレッソメニューは、韓国に昔からあったミックス(粉末のインスタント)コーヒーの高級バージョンのようで馴染み深い味」「残さず飲み切るのに丁度良い量」と話されていました。

バリスタ歴20年超えの友人は「韓国でエスプレッソが流行る日が来るとは思わなかった」と呟きながらも、お店側からしても、エスプレッソバーは小さい店舗でも運営しやすい事や、大体のお客様は1杯で終わらずに2〜3杯を注文される事、コーヒー1杯で長時間カフェの席を占領されるよりも回転率の速いエスプレッソメニューはマージン率が高く、職員数も少なくて良いというメリットがある、と教えてくれました。

そもそもコロナ真っ只中にはカフェには厳しい制限がいくつも課せられ、その中には滞在時間制限もありました。店内でゆっくりとコーヒーが飲めない時期に、ささっと短時間で飲み切れるエスプレッソメニューの開発と販売はコロナ禍を切り抜けるための苦肉の策だったのかもしれません。

コロナが落ちつき海外に行きやすくなった今、エスプレッソバーは一つのジャンルとして残り続けるのか、はたまた韓国のカフェ文化と混ざり合い新しいジャンルとして確立されるのか、韓国のエスプレッソ専門店の今後の展開から目が離せません。

 

Kapecchang(カペちゃん)より
@kapecchang

 

こちらの記事は2023年6月に作成されました。
営業日や営業時間が変更される可能性がありますので、行かれる前には必ずお店のSNS等でご確認ください。

 

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