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Chapter 12. K-POPアイドルセンイルカフェ主催者自叙伝 第1弾

7,018
2024.02.22
ドッゴとジェガル本場の韓国人CARAT

ドッゴとジェガルがみんなの代わりに行ってきました #episode 12

 

こんにちは、ドッゴとジェガルです。
今回は、K-POPファン文化の代表格といってもいい「センイルカフェ」について取り上げていきます。

これまで、本当にたくさんのセンイルカフェに行ってきましたが、それについて取り上げてきませんでした…なぜかと言うと、なんとこの度センイルカフェ開催を主催として準備していたからです。今回の記事はセンイルカフェ訪問記ではなく…センイルカフェ主催記!!!

ただ本当に本当に本当に…大規模で、約1年という時間を費やしたプロジェクトなので単発での記事としてまとめきれず、約3部作に分けてご紹介いたします。

今回の記事の大まかな内容は「センイルカフェとは一体なに?」というテーマでまとめてみました。参考までに私たちがセンイルカフェを開催した場所は韓国だったので、日本開催とは多少違う部分もあると思います。ご了承ください!(イベント大国の日本での開催の方がもっとスムーズに開催準備を進めることができると思います)

 

 


 

センイルカフェとは?

 

まずは、センイルカフェとは何か?という説明から始めましょう。

センイルカフェ(생일카페)とは、K-POPアイドルのファンが自主的に開催するバースデーイベントです。アイドルが所属する芸能事務所や企業とはまったく無関係なイベントです。

アイドルの誕生日をお祝いしたいファンがカフェでイベントを主催し、ファン達がカフェに集まってアイドルの誕生日をお祝いする、非常にシンプルなヲタ活の1つです。

ですが、一番重要になってくるのはお金…!すべてにおいて、お金は非常に重要になってきます。どうしてもアイドルの肖像権の問題も絡んでくるので、過去の展示会編でもご説明した通り、センイルカフェも「グレーゾーン」の1種とも言えるでしょう。

さらにカフェイベントは、K-POPアイドル所属事務所がポップアップストアとして開催したりもするので、これといった決まり事や規定、法律などはありませんが、収益を得てはいけないというファンの間での暗黙のルールがあります。

しかし、センイルカフェイベントの参加者にお渡しする様々な特典や内部DP、イベント開催費用などなど… 収益が0となってしまうと主催者は借金まみれになってしまいます…LUCKY DRAWのように少額ガチャは事務所側も目を瞑ってくれることがほとんどです。

今回、私たちも1回200円、5回限定のLUCKY DRAWイベントを行いました。
ここだけの話ですが、ドッゴとジェガルもDIORのLADYBAGほどの金額を投資して… LUCKY DRAWで得た収益でアシスタント達とサムギョプサルを食べながら打ち上げができるくらいの収益が入りました。もし、LUCKY DRAWを開催しなかったならと思うとゾッとします。

これは主催者側の悩み事で、参加者の方々はご心配いりません。イベント主催のカフェを訪ねて、ドリンクやデザートを注文してから特典を受け取り、内部DPを鑑賞するだけでOK!

ごくまれにメニューの注文なしではディスプレイを鑑賞できない場合もありますが…ごく一部であることと大半はメニューの注文なしでも鑑賞することができます。もちろん、特典に関してはドリンクの注文数と同じ数量をお渡しするので、メニューの注文なしではもらえません。

最近では、日本でもセンイルカフェをよく目にすると思います。

韓国では、K-POPアイドルだけでなく、俳優やスポーツ選手、お笑い芸人など… 多くの芸能人のセンイルカフェが開催されます。特に新型コロナウイルスが流行した当時は、オフラインイベントがほとんど中止となり、2Dキャラクターでもセンイルカフェという名のもとに無料配布や原価配布イベントを行うファンもたくさん見かけました。



 

センイルカフェ、開催するには?

 

最も重要なのは日程と開催場所です。

みなさんが推しのセンイルカフェを開催したいとなったら、まず先に推しの誕生日から確認すると思います。多くのセンイルカフェは週末に開催されますが、もしアイドルの誕生日が平日ならば、週末から誕生日当日まで開催されることがほとんどです。ちなみにスングァンの今年の誕生日も火曜日だったので、土-火にかけての合計4日間で開催しました。

 続いて、もうひとつ気を付けておきたいこと、それは他のアイドルの誕生日です。

うん?どういうこと?

世の中には本当に多くのアイドルがいて、俳優もいて、スポーツ選手もいて、お笑い芸人もいて、これからは2Dキャラクターもですよね?他の方の誕生日と被らないとは限りません。実際にセンイルカフェの激戦区と呼ばれるソウルのホンデ周辺は、毎週あらゆるアイドルたちのセンイルカフェが開催されています…

誕生日が被ると何が大変なの?
開催場所の選択肢が狭まってしまいます!

すべてのカフェがセンイルカフェイベントを承諾してくれるわけではありません。センイルカフェを何度も開催したことのあるカフェ、友好的なカフェ…こんなカフェを選定してこそ、イベントを開催できるわけです!

しかし、万が一、センイルカフェを開きたいアイドルの誕生日と他のアイドルの日程が長く被っていまうなら?目星をつけていたカフェがあったとしても、開催できない可能性があります…

スングァンもセンイルカフェ開催期間が、THE BOYZ ジュヨン、MONSTA X ヒョンウォン、 BLACKPINK ジェニーなどと被ります。もし、開催を予定していた期間に、他のファンが先にカフェの予約をしていたとしたなら諦めるしかないですね。特に、センイルカフェをよく開催しているカフェなんかは、1年前から予約が入っていたりと、開催する難易度が高いです。

例えば、HYBE所属のアイドルの多くが12月初-中旬に誕生日が集中していて、HYBEオフィス周辺のカフェはセンイルカフェの予約が殺到するみたいです。そしたら、早めに予約すればいいのでは?と思いますよね。実はそれが簡単じゃなくて..

センイルカフェを開催しようと予約していたカフェが、いきなり廃業するという不祥事も思っているより多いらしいです。これをどう想定できるでしょうか?まさに知りたくなかった事実。なんとか探し出した次のカフェも「その時まで営業できるかどうか…」の返事が...

やはりカフェの店舗だけでも本当に多く、新しい店舗も続々オープンして、並ぶほどに人気があっても流行に流されて消えてしまったりと、いつ廃業になってもおかしくないというリスクがあります。そういう理由もあり、過去にセンイルカフェイベントを開催したカフェで頻繁に開催されるのです。ここは生き残ってる…!

 

 


 

センイルカフェ、何から始める?

日程と場所を決めたら、本格的にテーマと特典のコンセプトを決めます。
同じアイドルでも可愛らしかったり、大人っぽかったり、キッチュだったりとあらゆるコンセプトが選べます。

ドッゴとジェガルは、SEVENTEENのオリジナルコンテンツ「GOING SEVENTEEN」で出ていたコント中のスングァンの「ブ作家(ブ・スングァン放送作家)のバースデー休暇」をメインテーマに決めました。

違うカフェでは可愛いスングァン、スポーティーなスングァン、スーツ姿のスングァンなどをコンセプトにしていました。それだけひとりのメンバーのセンイルカフェでも、あらゆるコンセプトの演出ができるのです。

 

私たちが主催したセンイルカフェで例えるならば、コントに使用された「放送作家」のキャラクターをメインとしたので、内部DPと特典も放送業界のネタを積極的に取り入れました。

メインカフェの内部DPは、放送局で作家達が使用するオフィスと倉庫。
サブカフェの内部DPは、誕生日を迎えてブ・スングァン作家の故郷である済州島で休暇を楽しむコンセプト。

このようにしてイメージを追加していきました。

特典もこのようにコンセプトに合わせてデザインしました。もちろん、気持ちでは1人あたり特典を100個ほどお渡ししたかったのですが…現実的に無理だったので、簡単に放送作家の履歴書、証明写真、名刺、ロケ先に移動するためのバスチケット、プログラムキューカードなどにしました。サブカフェは、ブ・スングァン放送作家が休暇をとって実家に帰るというコンセプトに合わせるため、飛行機チケットなどに変えてみました。

しかし、このような「コンセプトカフェ」ではないのなら、カフェのイメージに合わせた綺麗なアイドルの画像を使ったフォトカードやポストカード、ポスターなどを提供します。ほとんどはこのやり方がメジャーです!

可愛らしいコンセプトなら可愛らしいイメージを、クールなコンセプトならクールなイメージの画像を選択します。

簡単に見えて、この過程に約2か月を費やしました。予算のことも考えなくてはいけないし、現実的に考えてこれらをすべてパッキングする人手も計算し、数量までもチェックしなければならないからです。

 

 


 

センイルカフェ、何をすればいいの?

メインコンセプトと特典が決まれば…
ここからは本格的に地獄が始まります。

発注をしなければなりません。
発注はどんなにチェックしても、時間に余裕を持っても、おかしいことにいつもギリギリになってしまうんです。私たちは専門MDではありませんから。

まずは発注業者の選定からが難関です。
確かに同じイメージを送ったはずなのに…こっちの印刷業者では色合いが黄みがかっていたり、あっちの印刷業者では青みがかっていたり。 なんなら、また違う業者ではサイズが違っていたり。

価格もピンキリなんです。
いくら「他の人たちもみんな利用してるらしいよ!」と聞く業者でも、現実は残酷だったりもします。特に一般企業や2Dイベントと重なる時期なら、サンプルを確認するまでに本当に長くの時間がかかります。

フォトショップとイラストレーターを通してイメージ作業をして、発注業者を選んで、発注して、業者と何度もチェックを重ねて、長い時間を費やしたからといって終わりではありません。

周りでセンイルカフェを主催した人の中で、誤発注しなかった人を見たことがありません…実際にドッゴとジェガルも、発注数量に0ひとつ付けすぎて約30kgの宅配を受け取ったことがあります。間違いなく注文したと思っていたのに、業者の都合やコミュニケーション不足で思ってもなかったものが届いたりもします。時間さえ余裕があれば幸いなんですが… 時間的にもギリギリだったとしたら、キャリーケースを引きずって直接業者の工場まで走らなければならないこともまれにあります。

心から信頼できる業者は存在しないのです…(笑)万が一、2Dの同人誌を出版すると考えてみたらどんな意味なのか分かるかと思います。受け取るまでは油断は禁物!どうにかこうにか受け取ったら終わり?

いいえ。
ここからは包み地獄がスタート

それぞれ違う業者で受け取った特典をひとつに包装してやっとカフェでお渡しできるようになります。私たちも簡単な作業だと安易に考えていました。すぐ終わるだろうと。10個程度ならすぐ終わりました。しかし、大半のセンイルカフェの特典は、どんなに少なくても何百個から何千個まで包装しなければなりません。包装専門家がやればあっという間かもしれませんが。

だがしかし、すでに特典の発注でお金というお金をすべて使い果たした状態で、パッキング業者に頼む余裕もありません。そんなわけで、多くの主催者は直接包装します…

ドッゴとジェガルもパッキングに約11時間も費やしましたが、それでも終わらないという深刻な状態でした。挙句の果てには、包装しながら「地獄行きVS特典包装」の2択なら地獄にいくなんていう冗談も言ったりしました。正直言って、冗談じゃなく心から地獄に行きたいと思いました(笑)

他のセンイルカフェの主催者も、パッキングでみんな泣きを見たと言っていました。私たちは、今回の経験を経て、人には自分に合う適性というものがあることを知り、まさに自分は単純作業に向かないということに痛いほど気づかされました。

それもここまで終わればの話です。半分以上は終わったと思ってもいいと思います。包装が一番キツイ区間です。

パッキングが終わったなら?次はカフェ内部DPに取り掛かる番です。

本当のところ、ここからはほとんどがコンセプトを決める時に大きなディスプレイや小さなものも自然と決まるので、そこまで大変ではありません。でも、私たちみたいにトラックを借りて荷物を運搬しなければならない場合なら、少し事情が変わってくることも…もちろん、大半はそこまで至らないことが多いと思います。私たちは2箇所のカフェで開催したことやテーマが放送局だったこともあり、トラック2台も借りるはめに。

内部DPは、ほとんどイベント開催前夜に準備します。一般のカフェを借りるため、営業時間が終わるまで待つ必要があります。もちろん、いくつかのカフェはこのような事情を配慮してくれ、DP準備の日には少し早めに閉店してくれるところもあります。

ここまで終わったら残りは…ずばりセンイルカフェイベント… 開催だけが残ります。

続きは次の記事に持ち越したいと思います。

   

ドッゴとジェガルのセンイルカフェ関連動画は日本語字幕がつきませんが、雰囲気を楽しみたい方は添付されている再生リストからチェックしてみてください!

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