
韓国バンドシーンの新たなジャンルを生み出した「Silica Gel(실리카겔・シリカゲル)」。
昨年11月、5年半ぶりの来日を果たし、盛況のうちにステージを終えた彼らに会ってきました。
昨年12月発売された、ボリューム感のあるフルアルバムの話から
彼らの音楽に影響を与えた日本のアーティストや今コラボしてみたいアーティストまで、
「ずっとおかしなやつらでいたい」と話すメンバーたちとのインタビューをお届けします。
※こちらのインタビューは24年1月に行われました。

キム・チュンチュ | (日本語で)みなさん、はじめまして。私たちはSilica Gelです。僕はギターとボーカルのキム・チュンチュです。
キム・ハンジュ | ボーカルのキム・ハンジュです。
キム・ゴンジェ | ドラムのキム・ゴンジェです。
チェ・ウンヒ | はい、僕はベースのチェ・ウンヒです。
キム・ハンジュ | 僕たちの2ndフルアルバム『POWER ANDRE 99』が昨年12月20日に発売されました。18トラックにもおよぶかなり長いアルバムですが、最初から最後まで聴いても全く退屈せず楽しめると思います。「多様な音」を体系的に活用し、僕たちが2023年に使い続けてきた「音」の集合体のようなアルバムです。
キム・ハンジュ | 今までの楽曲は、不規則でどこへ飛んで行くかわからないような力があったとすると、今回の『POWER ANDRE 99』は、一つのまとまった楽しさやストーリーのために他の要素が支えになっているのではないかと思います。1stアルバムとは相反する魅力があるアルバムだと感じています。
チェ・ウンヒ | ミュージックビデオは、ダブルタイトル曲である「Ryudejakeiru」と「APEX」の2本が公開されました。「APEX」は、MELTMIRRORさんがプロダクションからグラフィックまで力を入れてくださった作品です。「Ryudejakeiru」は...誰だったっけ?(笑)
キム・チュンチュ | 「Ryudejakeiru」は偉大な監督である「チェ・ウンヒ」が作ったという説があります(笑)
チェ・ウンヒ | はい、実は...私が演出を担当したミュージックビデオで、主演はハンジュだったので、見ごたえがすごくあります。ぜひ一度観てください。
キム・チュンチュ | 僕は2番目のトラック「Eres Tu」をおすすめします。1番トラックと繋がる部分もポイントなので、ぜひ続けて聴いてみてください。独特でおもしろい曲です。
キム・ハンジュ | 僕はタイトル曲の「ANDRE 99」をおすすめしたいです。アルバムのタイトル『POWER ANDRE 99』にちなんでつけられた曲名でもあって、アルバムに込められたストーリーを濃く味わえる楽曲だと思います。特に、メロディーがとても気に入っています。メロディーに集中して聴いていただけると嬉しいです。
キム・ゴンジェ | この質問は僕には結構難しいです...うーん、「Juxtaposition」をおすすめします。とても楽しく、気軽に聴ける曲なんです。「音」に耳を傾けながら、音楽そのものを自然に感じ取ってみてください。
チェ・ウンヒ | 僕は、「Ryudejakeiru」をおすすめします。とても口ずさむのにとても良い曲です。イプドク(입덕/オタク入門すること)するのにぴったりな楽曲とミュージックビデオだと思います。

キム・チュンチュ | 2023年は、僕たちがマシンボーイの物語を語り続けながら、様々なフェスティバルやコンサート会場で観客の皆さんと呼吸を合わせてきました。その延長線として、単独公演も開催できたので、とても楽しかったです。他のメンバーはどうですか?
チェ・ウンヒ | 単独公演もフェスも途切れることなく、ずっと走り続けてき他ので、いろいろな感情が浮かびました。また、その最後を単独公演で飾ることによって、Silica Gelが一段階成長したという想いが強かったです。これからも毎年、ファンのみなさんの期待を超えられるグループになれそうだなという自信もつきました。
キム・ハンジュ | 韓国で開催した単独公演を日本でもできるようになったらと思います。

キム・ハンジュ | 単独公演は3回行いました。金土日と3日間に渡って公演をしたんですが、その中で忘れられないエピソードは、観客のアンコールです。本来は、「アンコール!アンコール!」と叫ぶのが普通ですが、最終日のコンサートで、「NO PAIN」という僕たちの代表曲を観客席にいるみなさんが伴奏なしで歌ってくれました。そんなアンコールリクエストをいただくのは、はじめてだったので、胸がアツくなりましたね。
キム・ゴンジェ | そうです。2018年に【In&Out @wwwx】を通して、日本で初ライブを行い、2023年11月、【BiKN shibuya 2023】に参加しました。
キム・チュンチュ | 海外での公演は、メンバー全員が楽しみにしているスケジュールです。いつも少なからずいらっしゃる海外のファンと一緒に呼吸を合わせられたらいいなと思っているので、海外で公演できる機会があれば、いつでも喜んで準備できます。
キム・ハンジュ | 2018年wwwxで一緒にステージに立った徳丸シューゴとシャムキャッツ、そしてステージをサポートしてくださったたくさんのスタッフに感謝の気持ちを伝えたいですね。僕たちを忘れず、BiKNのステージを観にきてくれていたので、とても嬉しかったです。現地にいる素晴らしいミュージシャンやスタッフたちと交流できる場を増やし、たくさんのステージを作っていきたいという想いがもっと強くなりました。

キム・ゴンジェ | あまり多くなかったですね。今回BiKNのライブで「2018年にもライブに来ていた」と伝えてくださるファンは結構いました。そのように言われるとすごく不思議な気持ちになります。結構時間が経っているのに...
キム・ハンジュ|実は、ミュージシャンとして本質的な姿勢や心構えはそこまで変わっていないかと...むしろ、僕たちの周りが結構変わっているかと思います。環境や人もそうですが、世の中の物事が変わるスピードがとても早いと感じています。
キム・ハンジュ|最初に出したEPから振り返ってみると、その時は、EPやアルバム全体の流れを工夫するよりは、1曲ごともしくは曲の中のポイントなど小さな要素を工夫して作り上げてきたかと思います。おもしろい「音」をあちこちに隠しておいたりとか。
2018年にwwwxでの公演を終え、兵役のため2年ほど活動休止期間がありました。活動を再開する頃には、音楽の好みや世界観などにメンバーそれぞれ異なる深みが出ていて、その部分をどうすれば、大きなつながりとして融合にできるかを悩みました。その結果、今回の2ndフルアルバムのように、文脈を大局的に捉えるような機会が作れたかと思います。次のアルバムでは、これをどう変奏したり、僕たちの想いをどう描いたりすればいいかがすごく楽しみです。
チェ・ウンヒ|僕は、「Kyo181」をおすすめします。(隣で騒ぐハンジュを見つめながら) 「Kyo181」はこのように、誰もが好きな曲で、はじめて僕たちの曲を聴く方々も楽しめられると思います。
キム・チュンチュ|僕は『SiO2.nH2O』の「Nap(낮잠)」という曲をおすすめしてみたいです。とても面白い曲で、今のSilica Gelとはまた違う雰囲気を出しているので、「昔はどうだったんだろう」と気になる方はぜひ一度聴いてみてください。
キム・ハンジュ|僕たちの代表曲の1つでもあるので、まず、「NO PAIN」は一度は聴いていただきたいです。また、「9」という曲も紹介したいですね。昔のSilica Gelのカラーをうまく表現できている一曲かと。

キム・ハンジュ|海外活動を念頭に入れていたというよりは欲はありました。2023年は韓国での活動に専念していたのですが、アルバムも出したので、国籍関係なくより多くの方々に僕たちの音楽を広めたく、今年は海外での活動にも集中する予定です。
キム・ハンジュ|僕からいきますね。まず、坂本龍一さんをすごく尊敬していて、影響をたくさん受けています。個人的には、自分が生きてきた軌跡に似ている面が多い先輩だと思っています。音楽ももちろん好きです。韓国で行われる坂本龍一さんに関するブックトークやポッドキャストなどのMCを担当することもあるくらい、欠かせない方です。
キム・ゴンジェ|今思い浮かんでも、菅野よう子さん、吉俣良さん、椎名林檎さんなどなど数えきれないほどですね。
キム・チュンチュ|子供の頃からアニメやゲームが大好きだった僕としては、数多くのOSTが大好きでした。その中で選ぶとしたら、細野晴臣さんを選ぶと思います。似たようなところもあると思いますし、彼のサウンドや音楽からインスピレーションを受けていました。愛してる、細野さん。
チェ・ウンヒ|僕は、荒井由実さん。時間が経っても名曲は名曲ですよね。
チェ・ウンヒ|「新しい学校のリーダーズ」というグループがとても好きなのですが、一緒に音楽でもいいですし、友だちとしてもお会いできたらと...
チェ・ウンヒ|僕は幼い頃から、フジロックフェスティバルのステージに立つのが夢でした。
キム・ゴンジェ|今年はあちこちでもっと会える機会が増えるといいですね。日本語でも少しでも会話ができるように準備していきたいと思います。今年もよろしくお願いします。
Kitto : Dayoung Kim, Chihiro Mori, Hyemi Park
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