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ミン・ヒジン記者会見で見るマルチレーベルについて

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2024.05.20
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HYBEとADORの紛争から見た「マルチレーベル」とは

みなさん、こんにちは!Kittoチームのジョセフです。

今日はまだ議論の的となっているテーマですが、正しいか間違っているかを問わず、単純なデータを通じて見た話をしてみたいと思います。


 

マルチレーベルとは?

「NewJeans」所属のADORミン・ヒジン代表とHYBEの対立が悪化する中、「マルチレーベル」システムが試練の時を迎えています。水平的な多角化により同時に複数のアーティストを管理できるという強みがある一方で、過度な権限の分権化によるレーベル間の対立が起こる可能性もあります。

では、まずマルチレーベルとは何か、今回HYBEから公表されたデータを基に見ていきましょう。

  • マルチレーベルは、一つの企業が複数の独立したレーベルを保有し運営する経営方式です。各レーベルは独自のIPを基盤にアーティスト、プロデューサー、作曲家、スタッフを擁し、音楽制作、公演企画、マーケティングなどの活動を独立して行います。 
  • マルチレーベルシステムはK-popエンターテインメント会社で一般的に採用される経営方式であり、HYBE(旧Bighit Entertainment)が代表的な事例です。HYBEはBTS、セブンティーン、エンハイプン、ニュージーンズなどを保有する子会社レーベルを通じて、多様な音楽スペクトラムを構築しています。
  • HYBEマルチレーベルの特徴は、M&Aを通じて築かれたことです。BTSに依存するだけでなく、多様なアーティストの同時多発的な構造に変えることで規模を拡大し安定化を図りました。その結果、売上と株価が急騰し、大きな成長を遂げてきました。

 


 

では、マルチレーベルが間違っているのでしょうか?

 

まずHYBEのマルチレーベル構造を見てみましょう。今回の事態の中心にあるADORについて、HYBEは80%の持株比率を保有しています。常識的に考えて80%の持株比率は経営権が揺らぐレベルではありません。

社内取締役の変更があった2023年

 

問題は取締役会です。現在のADORの取締役にはHYBEの主要関係者がいないため、これに対する監視と牽制機能が十分に働いていません。

大企業の系列会社社内取締役は、「通常、子会社には非常勤取締役などで取締役会に入り親会社の支配力を行使する場合が多いですが、特定の人物の側近だけでADOR取締役会を構成するようにしたのは異例です」と評価される理由です。

したがって、専門家たちは今回の事態をマルチレーベル体制自体よりも、それを誤って運営した問題と見ています。キム・ドホン評論家は「今回の事態はマルチレーベルのせいではなく、それを調整する過程が不足して起きたことです。プレディスのセブンティーンはHYBEに入ってもっと良くなりました」と述べました。

エンターテインメント業界に詳しいある弁護士は「HYBEがADORの持株を100%保有していたり、取締役会を掌握していればここまでにはならなかったでしょう。創作とビジネスの領域を明確に分けられなかったことが招いた事態です」と指摘しました。

 


 

では、今後マルチレーベルの構造はどうなるでしょうか? 

まず、今回の事態で、各レーベルのCEOに対する権限の再分配が行われると予想されます。特にミン・ヒジン代表の一件からわかるように、プットオプションの倍率として30倍を要求した点や、HYBEからの完全な独立を求めた報道から、今後マルチレーベルのCEOの責任と役割、そしてそれに対する牽制装置が設けられると見られます。

また、各レーベル間の対立構図やブランドイメージの損傷に対する対応が必要となるでしょう。ミン・ヒジン代表はILLITをNewJeansの模倣だと表現し、すべてをコピーしているという主張を通じてマルチレーベル間の反目と対立が露わになったこともあります。したがって、今後のマルチレーベルは相互独立性よりも、相互補完性が強調される組織構造として定着すると見られます。

 


 

総評

パク・ジウォン HYBE代表は、「今回の件を通じて(マルチレーベルの事業方式に)疑問を持つ方もいると思います」と述べ、「今回の件をしっかりと終わらせ、マルチレーベルの高度化のためにどの点を補完すべきかを考えます」と明らかにしました。

過去の人類の歴史を振り返ると、中央集権と分権のジレンマは常に存在してきました。強力な権限を基に中央からすべてをコントロールする体制と、各組織に権限を分配して水平的な構造を築く体制が存在してきた歴史を通じて、今回のマルチレーベル紛争を振り返る契機となればと思います。

 

 

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